2018年7月12日(木)曇りのち雨 13℃
ANWR21日目。
10:00起床。今日も雨が朝からパラパラと降っていました。ジリスが「チチッ」と単発で鳴いていましたが、早朝から何度もだったのでジリスセンサー(動物が来た時にジリスが鳴くため勝手にそう呼んでいました)は誤報だと思いあまり気にしていませんでした。
テントから出てトイレへ行き、テントへ戻ろうとした時対岸の陸部分がなんだかいつもと違うような…。
なんといいますか、いつもより黒い点が多いような気がしました。でも遠すぎてよく見えません。
テントへ戻って双眼鏡で確認すると…
カリブーだ!!!
この写真だと遠すぎてわかりませんが、もう既に何百頭のカリブーが対岸を歩いていました!!
相方さんは急いで撮影ポイントまで移動し、私はテントの柵内から様子を伺うことにしました。
そのまま柵内から見張っていると、こちらの岸のほうにもカリブーの大群がやってきました!
ゆっくりと草を食べながら進んでいます。
テントの後ろまでやってきました。
そのままテントを横切っていくカリブーの群れ。
牧場のような光景に。笑
動きは至ってスロー。
私が少しでも動こうものなら、びっくりしてバラけてしまいました。なので、動く時はゆっくりと。刺激しないように。
河原の方にもカリブー!テントの周りを囲まれることに。
そのまま南へ進んで行きます。
対岸にもカリブーの大群がいるのですが、その大群の動きがピタリと止まってしまって一向に進まない…。なんでだ?と思って双眼鏡で確認すると、前方に1匹のオオカミがいました。
そのオオカミのせいで、進むのが難しくなっていたよう。
待望のカリブーの襲来に雨が降っていたけど、テントのフライも閉め忘れてベチャベチャに。笑
12:30 視界からカリブーがいなくなる。
みんな南側へ行ってしまいました。
しーん。
柵から出てカリブーの様子を見てみよう!と思ったのですが、
しばらくウロついていると、第二陣が。
やってきました。
川の真ん中を渡っているのもいました。
対岸にも第二陣のカリブーたちが。
しかも、今度はジリスが鳴き出して、何かと思って辺りを見回すと、めちゃくちゃテンション高めのグリズリーが出現。笑
カリブーたちに興奮しているのか、山の裾にそって走ってこちらへ向かってきていました。
全然こちらにも気づかない様子だったので、ストックを振り回してこちらの存在を知らせると、グリズリーは山の斜面を登り、逃げていきました。
その下をカリブーの群れが通り、それをジリスが見ているという、すごい光景だなと眺めていました。それにしてもめちゃくちゃ走っていたので、少し焦りましたね。笑
一部のカリブーたちは丘の上で横になって休憩したりしていました。こんなにゆっくり移動するものだったとは…。笑
こんな感じでカリブーの群れには波があり、第二陣、第三陣…と続いていきます。
カリブーの群れと群れの切れ間をぬって、相方さんの所まで移動しようと移動開始。
でもカリブーは少し歩いては広い場所で寝そべって休んだりしていて、全然進まず。
こちらが動いてる姿を見られると大群で走って逃げてしまうので、動くに動けず…。
Photo - Taiki Nagatomo Photo Gallery
カリブーの群れは対岸に多くいましたが、なぜか急に私たちのいる岸に大群で移動したりしていました。リーダーみたいな、小隊を引き連れているカリブーがいるのですが、そいつの気まぐれなのか、なんなのか。他のカリブーもグループ分けとかはなくて、ただなんとなく付いていってるような感じでした。
Photo - Taiki Nagatomo Photo Gallery
Photo - Taiki Nagatomo Photo Gallery
相方さんが待ち構えていたポイントでは、両方の岸のカリブーが合わさって、ものスゴイ数に!
Photo - Taiki Nagatomo Photo Gallery
子供も大人に混ざってちゃんと歩いてる!
カリブーを避けながら、相方さんのいる所に到着したのが19:30。
この頃にはカリブーを見過ぎて、だんだん虫のように見えてきました。双眼鏡を覗くのも気持ちが悪くなっていました。笑
この日見たカリブーは何万頭だったのか、こんなに多くのカリブーを見るのは初めてのことだったのでわかりません。
テントに戻ると、ぽつりと1頭のカリブーがいました。足を怪我しているようで、引きずって歩いていました。人間同士なら助けてあげれますが、怪我をしたらこうやって置いていかれてしまうのか、自然は厳しいですね。
Photo - Taiki Nagatomo Photo Gallery
この後夜中までカリブーの群れの移動は続き、小さい群れが何度か通っていきました。
カリブーはこうやって、移動して住処を良い所、良い所へ変えて生きていくんですね。
まさに旅する動物だと思いました。
帰る二日前にこの目で見ることができて良かった。本当にいい日になりました。
つづく…